経営119番
必読特集!
知恵のあるなしで「倒産」はこれだけ違う

7.銀行との交渉は背水の陣で


 ともかく会社が倒産してしまっては元も子もありません。林檎の実を取るために木を切り倒す人がいるでしょうか。来年も再来年も、林檎の実を採集することができるように、木は大切にしなければなりません。

 金融機関も、現在貸し付けている元金や利子が倒産により不良債権化するよりは、少し時間がかかっても確実に回収できることの方が大切です。

 金融機関にとって何よりも大切なことは、元金が返済されることではなく、元金に伴う利子が確実に支払われることなのです。各企業に貸し付けている元金が全て返ってきたら、銀行の資金は増えるかもしれませんが、それでは商売にならないのです。利子を確実に支払ってくれる企業にお金を貸しつけ、末永く利子を払ってもらうというのが銀行の本来の姿です。

 ですから利子を払っていれば、その企業は銀行にとって良いお客であるということです。また利子支払いが今苦しくて、半分しか払えないとしても、将来にわたって確実に返済してくれるとなれば、銀行は無理なことはしないものなのです。

 銀行の担当者が貸し渋りを行うのは、あなたの会社が優良企業ではないという、銀行内部の査定が働いているからです。「長い付き合いだから救ってくれるはず」という銀行の性善説などは信じない方が良いでしょう。それよりも損得を説く方が効果があります。

 まず預金類を引き上げて、「金利減額に応じなければ倒産する」「その場合、担保物件の任意売却には応じない、あくまで抵抗する」などをにおわせて本気で相手と交渉するのです。担保物件の競売は時間がかかるし、回収率は悪いし、弁護士の費用はかかるし、こちらがその気になって妨害すればてこずるはずです。こうしたことを担当者はやりたいわけではないのです。脅しとして「競売にかける」と言っているに過ぎません。

 つまり、充分に交渉の余地があるというのが現実です。

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1.「賢い倒産」の意味 2.高利貸しに手を出すと・・・
3.誰に相談するのがいいのか 4.倒産もタダではできない
5.法的整理と任意整理の得失 6.銀行との駆け引きで生き残れ
7.銀行との交渉は背水の陣で 8.おわりに