東神田経営事務所 Presents [ 緊急資金繰り対策と不良債権回収 ]

3.債権は回収できないことも

 ところで債権という言葉が判っているようで今一つピンとこないという人もいるでしょう。法律的な言い回しに従えば 「一定の行為を請求することが出来る権利」 ということができます。「一定の行為を請求する」とは債務(借金)を返済するように請求することができるという意味です。

 この債権は具体的には、

賃金債権 売掛金債権 請負工事代金債権 約束手形金債権 小切手金債権

などが該当します。賃金債権は「賃金の返済を請求する」、売掛金債権は「売掛金の代金を請求する」ということで、商取引上はごく当たり前のことです。

 しかし「お金を返してくれ」という権利があっても、その権利が実行されなければあまり意味がありません。例えば、相手が倒産すれば債権者は、 「債権者の有するそれぞれの債権額に比例して、総財産を換価して弁済(分配)を受けるのが原則」 ということになっています。これが債権者平等の原則といわれているものです。この債権者平等の原則に従えば、倒産した会社の借金は良くて10分の1、下手をすればほとんど回収できないというのが現実です。というのも、その会社が抱える債権と債務を勘案して明らかに債務超過(借金が多い)になり、債権を支払えない状態になったので倒産をするからです。

  ただ、企業としては健全な収益を上げていながら、資金繰り上緊急な融資が必要となったにも関わらず、金融機関などの離反により不渡り手形を出し、やむなく倒産するという場合もあります。こういう場合は債権の回収も多少可能性があるかも判りませんが、多くの場合は、債権を返済する財産も無くなり、弁済不能というのが現実です。 ですから、単なる債権は「返して下さいと主張していればいずれ返してもらえるお金」とはとてもいえません。努力して回収しなくてはならないのです。

 

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1.貸したお金が回収できない 6.息子名義の土地の担保は要注意
2.誰と取引をするのかが大切 7.担保の種類(一)
3.債権は回収できないことも 8.担保の種類(二)
4.相手の会社が倒産したら債権はどうなるか 9.担保の取り方も物によって異なる
5.債権を確かなものにするには担保が必要