東神田経営事務所 Presents [ 緊急資金繰り対策と不良債権回収 ]
9.担保の取り方も物によって異なる
日本の場合「金本位制」という言葉をもじり、「土地本位制」などと言われるぐらい、土地の価値が高く評価されていました。バブル期には土地は必ず値上がりするものという考え方が定着し、土地さえ所有していれば、かなり有利に資金を借り出すことが出来ました。こうした土地を担保に銀行から資金を借り出すときは、抵当権が設定されるのが普通です。 バブルが崩壊し、土地が値下がりしても、やはり土地に代わる担保物権はあまり見当たりません。そういった意味で土地を担保にするというのは、資金調達という観点からして今でも主流だといえます。土地を担保に使用する限り、抵当権をしっかりと理解することが大切でしょう。企業の経営者である限り、資金繰り、資金調達という問題は避けて通れません。その資金調達の基本は理想論から言えば「企業の業績、将来性などを見極めて融資する」と言えるでしょうが、現在のような貸し渋り状況の中では、こうした考え方は、官僚の国会答弁のように空しいのです。やはり土地・建物を担保にお金を調達するしかありません。 あなたが同業者に頼まれ資金を貸すという立場に立ったと考えてみましょう。相手会社の社長とは「20年来の知人だから」「彼はいい人だから」などという理由で1000万も2000万ものお金を、担保なしで貸したりするでしょうか。もしそんなことを行えば、それは会社に対する背任罪として株主に告発されるかもしれません。 お金の貸し借りと担保の知識は不可分なものです。担保の知識が曖昧でいい加減だと、大きなしくじりをする可能性があります。こうした一般人にとっては難しい担保の知識を悪用して詐欺まがいの仕事をする人もいます。 話が少しそれましたが、ものによって担保も種類がありますので、ここでは簡単に表のようにしてまとめてみました。「こうしたものには、こういう担保の取り方がある」という概要を知っておくことは大切なことです。
以上のように担保に取れる物は色々あります。そしてその物に最も相応しい担保設定を行うというのが、債権回収にとっては大切なことです。担保についての一つ一つの定義や意味、働きについてよく知っておくというのが理想ですが、会社を運営している社長がこうした知識をすべて身に付けているとは限りません。ただある程度は知っておかなくてはなりません。というのはこうした法律の隙間を利用して債権を騙し取ったり、回収を困難にしたりすることがあるからです。最初からあなたを騙そうとしてかかる場合もあります。こういう場合は相当に手強い相手ですし、あなたの無知につけ込んで、犯罪ではないけれど実質あなたの大切な債権を台無しにされるということも可能になります。 |